あしたのために その１
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「あしたのジョー」という漫画・アニメがあります。
私と同年代の方はご存知かと思いますが、梶原一騎と言って、
「巨人の星」の原作者としても知られるカリスマが、
この作品の原作も書いています。
「あしたのジョー」が最初にテレビで放映されたのは、
私がまだ小さかった頃、昭和45年から46年です。
この時もそこそこ人気がありましたが、昭和53年頃、
私が中学校2年生の時に再放送がありました。
この再放送時に大ブレイクして、視聴率が30％近くいっていたような記憶があります。
当時私は中学生だったのですが、この頃は、みんな夕方5時半からの
「あしたのジョー」を観るために寄り道をせずに帰るといった状況でした（笑）。
「あしたのジョー」には、主人公のジョーを指導する
トレーナーの丹下段平という人がいます。
この丹下段平が手紙に書いたアドバイスをジョーが見て、それを実践していくのです。
この手紙に書かれていた言葉が「あしたのために その1」です。
ちなみに、「あしたのために その１」は、具体的には
ジャブをマスターしろという教えでした。
では、この「あしたのために」という概念は、私たちの実生活には
どう関わってくるのでしょうか。
人間の寿命は、男女差がありますが、おおよそ80歳です。
今後さらに90、100歳と寿命は延びていく可能性が高いですが、
現代でも80年ぐらいは生きるのです。
とは言え、いつも書いている通り、時間は有限です。
その有限の時間の中で、とにかく今日という日をめいいっぱい生きるか、
あしたを考えて生きるのかの違いを考えてみましょう。
今日をめいいっぱい頑張って生きればいいと言う人の気持ちとしては
時間は有限で、人間いつ死ぬか分からないという想いがあります。
私の友人にも既に亡くなった人が何人かいますが、
こういった事を目の当たりにすると、その想いは一層強くなります。
ですから、今日をめいいっぱい生きるから
明日の事は考えなくていいという発想が出てくるのです。
しかし、この発想には問題点もあります。
例えば、夜遅くまで仕事や勉強をめいいっぱいすると、その時は充実感がありますが、
翌日には寝不足になり、集中力が落ちてしまいます。
皆さんにも経験があるかと思いますが、このような行動は、トータルで見ると、
全体のパフォーマンスとしては低くなってしまいます。
もう１つ例を挙げると、宴会が楽しくて盛り上がり、二次会、三次会まで行って
飲み過ぎて、翌日は二日酔いで使い物にならない、、、こういった
経験をした人も多いかと思います。
これも先の例と同様に、その日１日はとても楽しく過ごせるのですが、
トータルでみるとあまり好ましくありません。
では、今日をめいいっぱい生きるのと明日の事も考えて生きるのでは
どちらがいいのでしょうか。
確かに人間はいつ死ぬか分かりません。ただ、いつも言っているように、
ここでも確率という概念が重要になります。
日本語の表現は曖昧なものが多いので
いつ死ぬか分からないと言うとあまりピンときませんが、
いつとは明日でしょうか？明日死んでしまうのでしょうか？
実際は明日死ぬ確率はきわめて低く、明日も元気で生きている確率の方が
遥かに高いのです。
ですから、明日も生きているという事を前提に考えた方がいいという結論になります。
そこで、「あしたのために その１」という発想が出てくるのです。
明日をよりよく生きるために、自分のパフォーマンスを高め、
人生を充実したものにするという発想で生きる場合と、そうでない場合は、
当然ながら差が出てきます。
明日のためにという工夫をしながら生きるからこそ、
自分自身がレベルアップしたり、生活も充実してくるのです。
一方、何も考えずに今日が良ければそれでよいという
刹那的な生き方では進歩はありません。
この生き方の違いは、やがて大きな違いをもたらします。
「あしたのために その１」あなたは明日のために、まず、何をやりますか？
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