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新型コロナウイルスによる医療崩壊!その先にあるものとは?

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新型コロナウイルスによる医療崩壊!その先にあるものとは?

新しいYouTubeチャンネルを始めました。

YouTubeのコメント欄に質問をして頂けば、

私が直接お答えします。ぜひご覧になって下さい。

  ↓   ↓   ↓

https://youtu.be/CuO0Am_WO7Q

 

新型コロナウイルスによる

医療崩壊が起きつつあるといったことが、

マスコミでも取り上げられています。

 

では、まず医療崩壊が

なぜ起きてしまうのか考えていきます。

 

一番の問題は重症患者への対応です。

 

重症患者1人に対し、最低でも

数名の医師が関わることになります。

さらに、10名以上の

看護師や技師も関わることになります。

 

重症の患者さんは、自分で呼吸状態を保てないため、

人工呼吸器を装着することになります。

 

人工呼吸器を付けている人は、

自分で痰を出すことができないので、

看護師が定期的に痰の吸引をする必要があります。

 

この時に感染リスクがあるので、痰が飛び散らないような

閉鎖型の吸引の道具使います。

上の画像のように、チューブが全体的に

ビニールで覆われているので、

これを使えば痰が飛び散ることがありません。

 

しかし、重症患者がCTなど検査を受けるために、

院内を移動しなくてはならない時があります。

 

そういった時は手動のバックで呼吸をサポートしたり、

あるいは移動用の人工呼吸器に付け替える必要があります。

この付け替えの時に、器具の繋ぎ目から痰が飛び散ると、

当然感染のリスクが生じます。

 

人工呼吸器をつけるような重症患者、

特にコロナウイルスの重症患者の場合は

気管、気道にウイルスがたくさん付いています。

 

言い方は悪いのですが、新型コロナウイルスの

重症患者が人工呼吸器を付けるということは

ウイルス増殖装置のようなもので、

感染リスクがより高くなります。

 

事実上、感染を100%防ぐのは困難です。

実際、現場で働いている人たちの苦労は、

想像できないほどのレベルだと思います。

 

私自身、長年集中治療室で働いていたので、

その大変さというのはよく分かります。

 

では、一般外来はどうなのかと言うと、

こちらも今は、発熱した患者さんが来れば、

新型コロナウイルスの感染を疑わないといけない状況です。

 

それを否定できるまでは感染を予防するために

慎重な対応が必要になります。

 

新型コロナウイルスが流行する前は、

軽い風邪でも気軽に病院を受診する人

たくさんいました。

 

「ちょっと風邪気味なので風邪薬下さい」とか、

そもそもウイルスには抗生物質は効かないのですが、

「風邪なので抗生物質下さい」といった、

コンビニ感覚で気軽に受診する人がたくさんいたのです。

 

しかし、今は軽症なら

自宅で様子を見るという風潮なっています。

 

他の病気、たとえば腰痛などでも

病院に行けば感染するリスクがあるので

軽い痛みなら病院には行かないとなっています。

 

高齢者の中には、定期的に通院する人が多いですが、

これも症状が落ち着いていれば

なるべく病院には行かないという風潮なので、

一般外来は患者が減少しています。

 

その一方で、重症患者の対応をするような

大病院はキャパオーバーとなり疲弊しています。

 

そして、一般のクリニックは患者さんが減少し、

下手すれば倒産しかねない状況。

 

このように、全ての面において

コロナウイルスにまつわる医療崩壊の危機が出てきたのです。

 

では、もしこのまま

医療崩壊したらどうなるでしょうか?

 

過去、日本国内で実際に

医療崩壊が起きた例見ていきましょう。

 

今から約13年前、

マスコミで医療崩壊という言葉が

さかんに使われていたことがあります。

 

この頃、何が起きていたかと言うと、

地方の医師不足が深刻化していました。

 

では、なぜ医師不足に陥ったのかと言うと、

研修制度が変わったからです。

 

それまでは、医学部生は

自分が卒業した大学の大学病院で

研修するケースが多かったのです。

 

ところが、さまざまな分野のスキルを身につけるために

スーパーローテーションという制度が導入されました。

 

これはどのような制度かと言うと、

2〜3ヶ月単位で皮膚科や内科、外科など

複数の科をローテーションして学んでいく制度です。

 

医師として多くのスキルを身につけて、

どんな患者にでも対応できるようにいうのが、

その制度の主旨でした。

 

この制度の導入に伴い、

医学部生は研修先の病院の希望を

出せるようになったのです。

 

これをマッチングと言いますが、

自分の希望が通れば大学病院でないところでも

研修が受けられるようになりました。

 

一般的に、大学病院というのは

医療のレベルが高くなかったり、

雑用が多かったりします。

 

特に若手医師からは雑用が多い

という面で敬遠されています。

 

そういった理由から大学病院ではなく、

一般病院での研修を希望する医学生が増え、

大学に残る研修医は激減してしまいました。

 

人手が足りなければ、

大学病院も困ってしまいます。

 

そこで大学病院側はどうしたかと言うと、

地方の病院に派遣していた医師を引き上げて、

大学に戻したのです。

 

そのために医師不足が起き、医療崩壊ということが

叫ばれるようになったという流れです。

 

このような理由で、

実際に破綻したケースがあります。

 

たとえば、千葉県銚子市にある

銚子市立総合病院は、一時期診療を休止し、

閉鎖ていました。

 

インターネットで検索すると

詳細が出てくると思いますが、

一時閉鎖の主な理由は関連大学からの

医師の派遣が極めて困難だったためです。

 

それに加え、銚子市の財政面でも

厳しくなったということもあり、

苦渋の決断で閉鎖をしたのです。

 

では、このように病院が閉鎖してしまうような事態、

いわゆる医療崩壊が起きるとどうなってしまうのでしょうか?

 

現在、新型コロナウイルスによる

医療崩壊が起きつつあると言われています。

 

では実際に医療崩壊が起きると

どうなってしまうのでしょうか?

 

極めて印象的なのが、

北海道夕張市の事例です。

 

夕張市は、医師不足以前に財政難から、

市が破綻してしまいました。

 

夕張市立総合病院も維持することができず、

平成19年の段階でやむなく閉鎖となったのです。

 

では、その後夕張市はどうなったのでしょうか?

 

病院がなくなってしまったら、

亡くなる人がどんどん増えて大変なことになるのではないか

予想する人が多いと思います。

 

では、実際のところ

病院の閉鎖によってどうなったかと言うと、

まず夕張市の医療費が減りました。

 

それまで夕張市の医療費は

北海道全体の医療費の平均に比べて

高かったのですが、それが低くなったのです。

 

 

では、夕張市民に亡くなる人が増えたかと言うと、

基本的にはあまり変わりませんでした。

 

 

男女別に見ると、男性の死亡数は

むしろ減っています。

 

女性は若干増加傾向にありますが、

あまり変わらないということが分かります。

 

そして、特徴的なのが夕張市民の死因です。

 

 

男性の死因はガンや心臓病、

肺炎などが減っています。

 

女性の死因はガンというのは

あまり変わりませんが、

心臓病や肺炎は減っています。

 

では、どういった死因増えたかと言うと、

老衰です。

 

 

夕張市は市立病院がなくなったことによって、

死者数が増えてしまったのかと言うと、

そうではなく、むしろ医療費は下がり、

市民は健康になったという結果になりました。

 

このような結果を、意外に思う人も、

納得する人もいるかと思います

 

そこでひとつ言えるのは、

病院とは、そもそも病気で具合が悪い人が

行く場所だということです。

 

多くの人が勘違いしているのですが、

病院は健康になるための場所ではありません。

 

病院は病気を治してはくれますが

より健康になって帰ってこられるなどというのは

あり得ないのです。

 

そのあたりを勘違いしている人が

多いのではないでしょうか?

 

高齢化社会における医療の問題点は、

延命治療、あるいは延命治療的なものの

選択を迫られることです。

 

たとえば、

「人工呼吸器を装着しないと

呼吸が維持できませんが、どうしますか?」と聞かれて、

「しなくていいです」とは

なかなか答えられないものです。

 

患者本人やその家族が延命治療的なものを

拒めない状況にあります。

 

先の夕張市の例では、

病院が閉鎖したことで、自宅や老人ホームで

最期を迎える人が増えました。

 

死因として老衰が増え、

医療費が減ったという結果が得られました。

 

しかし、延命治療を選択してしまうと、

医療費はどんどん高騰してしまいます。

 

実際に日本の医療費の多くは

高齢者の医療に注がれています。

 

先の夕張市の例からも分かるように、

そういった治療を選択しないことで

医療費も削減できて、ある意味ハッピーな最期を

迎えることもできるわけです。

 

今回のコロナ問題は夕張市の例とは

全く状況が違いますが、

仮に医療が崩壊したとしても、

意外に困ったことにはならないのではないか

と私は考えています。

 

やはり大事なことは、

本当に大切なものは何なのか、

私たちが目指すべき未来は何なのかということです。

 

そういったことを

常に意識しながら判断をしていく

必要があるのではないでしょうか。

 

抽象的な表現になりますが、

そういったことが大切だと私は考えます。

 

よろしければ動画もご覧になって下さい。

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https://youtu.be/CuO0Am_WO7Q


							
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