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人間はなぜ緊張するのか?

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人間はなぜ緊張するのか?

 

試験の本番や、大きなイベントの本番で緊張してしまうという人は少なくないと思います。

緊張するのは当たり前と思うかもしれませんが、

実は人間が緊張するのには、ある理由があります。

 

その理由は何かというと、

人間の脳は、動物の本能として「変化を拒むようにできている」のです。

 

たとえば、大昔の狩猟生活をしていた人間が、環境を変えたら、

獲物が獲れなくなって、飢え死にしてしまうかもしれません。

ですから、新たな環境に期待するよりも、現状を維持して

最悪の事態を避けようとするのが人間本来の本能なのです。

 

こうして人間は、いわゆる「現状維持機能」が働くため、

大きく環境が変わりそうな局面に遭遇すると、緊張してしまうのです。

 

緊張というよりも、恐怖の感情に近いといった方が適切かもしれません。

自分の経験したことのない環境に突入するということは恐怖なわけです。

その恐怖を緊張として捉えているのが現代人の感覚といえます。

とはいうものの、現代人は現状に留まり続けるわけにもいきません。

 

世の中の状況が目まぐるしく変化する中で何かしら新しいチャレンジを

する必要が生じてきます。

 

では、そのような時に、どうすれば緊張しないで済むようになるでしょうか?

 

私自身の経験をお話しすると、私は、ご存じのように

心臓カテーテル検査や心臓カテーテル治療という、とても緊張する仕事をしていました。

 

最初の頃は、単なる検査をするだけでも、とても緊張していました。

しかし、ある程度慣れてくると、検査だけでは緊張しなくなります。

 

次は、カテーテル治療といって患者さんの血管を実際に拡げる段階になります。

そうすると、また緊張します。

しかし、これもある程度慣れてくると、簡単な治療では、それほど緊張しなくなります。

 

次にどのようなことが起きるかというと、自分の知り合いを治療しなければ

ならない場面に遭遇します。自分の近所のおじさんとか、アルバイト先の病院のスタッフとか、

知っている人を治療するのは、とても緊張します。

これも、次第に慣れてきますが、次の段階は、凄く偉い人を治療する場面です。

 

誰でも知っているような大企業の社長さんとか元大臣、凄く偉い人を

治療する必要性に迫られます。このような時も、当然ですが最初は緊張します。

 

しかし、こうしたことを繰り返していくうちに、

結局は「普段通りにやるしかない」という結論に達するのです。

つまるところ、どんな状況に置かれても、普段通りにやるしかないのです。

 

この感覚が分かってくると偉い人の治療だから緊張するといったこともなくなります。

そうして、普段通りに治療ができるようになるのです。

 

「普段通り」ということは、「変化を拒む」という人間の

本能と相反するものではありません。

ですから、それほど緊張せず、治療をこなすことができるわけです。

 

このように、緊張してしまうイベントを、「普段と変わらないもの」に

変えることができれば、極度の緊張を防ぐことができます。

 

たとえば大学受験の場合、模擬試験をたくさん受けたり、

第一志望の大学以外にも、他の大学もいくつか受けておくことで、

受験の本番を、普段通りに近い環境にすることが可能です。

 

スポーツの試合の本番とか何か大きなイベントの本番も、

同じように、なるべく変化を少なくし、

「普段の環境に近い状態」に持っていく工夫は可能です。

 

たとえば、私が学生時代野球部でピッチャーをやっていた時は

本番の試合の状況を想定してピッチング練習をしていました。

ランナーが2塁や3塁にいる状態を想定し、なるべく本番に近い状況を

イメージして練習するのです。

そうしたことを繰り返すことによって本番でも、満塁などの

ピンチの状況でもしっかりストライクがとれるようになったのです。

まとめると、人間の脳は、動物の本能として、「変化を拒むようにできている」。

 

緊張や恐怖を避けるためには、本番の環境が変化ではなく、

普段の環境と変わりないように感じるようにするということになります。

 

あなたが何か、緊張する場面があるとしたら、今日の話を参考にして

工夫をしてみてください。

 

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