1年前には、
血圧はあまり下げなくて良いという話が話題になり、
私も週刊誌から取材を受けました。
その矢先に、今度は
血圧は120以下
に下げた方がよい??!!
という話が話題になっています。
これでは、一般の人は、
何がなんだかわからず、混乱してしまいます。
今回発表された研究結果はどんなものか、
検証してみましょう。
今回話題になったのは、
米国立心肺血液研究所(NHLBI)
が主導して行った
SPRINT試験(Systolicblood pressure intervention trial)の結果です。
この試験(調査)の対象は、
75歳以上の高齢者、
もしくは心臓や血管の病気に罹ったことがあり、
再発の危険性が高い50歳以上の高血圧患者です。
この人たちを対象に、
収縮期血圧(いわゆる、上の血圧)を120mmHg未満と
厳格に管理することが予後に影響するか、
つまり、より長生きできるかを調べたものです。
このような研究では、
必ず比較対照できるグループが必要なので、
今回は、
140mmHg未満を目標値にした
標準治療グループとの比較が行われています。
この結果を見ると、
確かに血圧の目標を120未満にしたグループの方が、
心臓や血管の病気の発症が減っています。
単純に割合だけ計算すると、
1.65対2.19なので、
約25%減少したことになります。
これを、
「心血管疾患が25%も減少!」
なんて書かれると、
一瞬、凄い薬だと思ってしまいます。
しかし、これは一種のトリックで、
タウリン1gを凄く見せるために、
「タウリン1000mg配合!!」
と謳っているのと同じことなのです。
いつも言っているように、
病気度は年齢とともに高くなっていきます。
つまり、年齢とともに、病気になりやすくなる、
あるいは既に罹っている病気が進行してくるわけです。
それに対して、このような薬による介入というのは、
病気度の傾きをほんの少し変えるだけに過ぎません。
ですから、根本的な解決にはなっていないのです。
風が吹けば桶屋が儲かるではありませんが、
目標値が下がる
↓
医師がたくさん薬を使う
↓
製薬会社が儲かる
という図式を作るために、
このような研究が行われるのです。
詳しく説明していったら、
近藤誠先生みたいに、本1冊分になってしまいますが(笑)、
簡単に説明すると、このような内容になります。
もう一つ、気をつけないといけない点は、
実験や研究には必ず「対象」というものがあります。
つまり、どこの国のどんな人、
どんな病気の人が研究の対象になったのか。
それを把握する必要があります。
ですから、まだ若くて元気な日本人に、
同じことが当てはまるとは言えないわけです。
では、一体、血圧は下げたほうが良いのか、
下げなくても良いのか??
私の経験上、血圧はやはり低い方が良いと思っています。
しかし、薬にばかり頼るのは問題です。
薬をたくさん飲んでも、
製薬会社が儲かるだけです。
そうではなく、
なるべく自力で血圧を下げる努力をしましょう。
薬を飲むとしても、なるべく量を減らせるよう、
努力や工夫をすべきです。
そうしないと、単なる薬漬けで、
健康とは程遠い状態になってしまいます。
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