「風が吹けば桶屋が儲かる」といえば、巡り巡って意外なところに影響が出ることの喩えですが、 実は、
景気が悪いと医師不足になる
というのをご存知でしょうか。
こちらの医学部偏差値ランキングを御覧ください。
http://daigakujyuken2.boy.jp/zenkokuigakuburanking.htmlより
医学部は公立私立を問わず、軒並み高い偏差値を示しています。
昔は、「あんな大学、、」（失礼m(__)m）なんて思われていた某私立大学医学部も今では、東大の理科一類と偏差値が変わらなくなっているのです！
なぜ、こんなに医学部の偏差値が上がったか？
それは、日本の景気が悪くなったからなのです。
一流企業に勤めても、先行きどうなるかわからない時代です。 しかし、一旦医者になってしまえば、よほどのことがない限り、一生食うに困ることはありません。
ですから、教育熱心な親御さんの多くは子どもを医学部に行かせたがるのです。
しかも、今は少子化のため、子ども一人あたりの教育にかけられるお金も時間も増えています。
その結果、何が起こったか？
男子生徒に比べて、親の言うことを聞いて真面目に勉強する女子生徒の方が、平均的に成績が良くなったのです。
そして、昔に比べて、医学部に入る女子の割合が増加しました。
http://www.med-pass.net/rank/danjohi/より
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000069214.pdfより
３０年前は１０％ぐらいしかなかった女子の割合が、今では、３０〜３５％、およそ３分の１まで増加しています。
東大の理科三類（医学部進学過程）では、昔は女子は９０人中３〜５名しかいませんでしたが、今では２割近くを占めています。
さて、こうして医学部に合格した女性が卒業していくと何がおこったか？
それは、女性医師の偏在です。
皮膚科、眼科、麻酔科など女性医師に人気の科は、女性医師の比率が４割に迫る勢いですが、不人気な科では、５％ぐらいしか女性医師がいません。
この段階でまず、女性医師に不人気な科は、医師が不足する可能性があります。
しかし、これはまだ序の口です。 問題はこれからです。
女性医師は男性医師と結婚するパターンが多く、３０代になると出産子育てのために仕事を休みます。
グラフのように、３０代半ばで、女性医師の就業率はがくっと落ち込むのです。
子育てが落ち着いて現場に復帰したとしても、出産前のようにハードな職場でフルタイムで働く人は少数派です。
当然といえば当然ですが、子育てと両立できるような楽な仕事を選ぶのが自然な流れです。
ここで最初の話を思い出していただきたいのですが、
そもそも、女性医師たちの多くは自分の意志で医師になったわけではないのです。
そうです。
親の意思で医師になったのです。
ですから、きつくても現場で頑張ろうというモチベーションが続くはずもないのです。
こうして、救急対応が必要な小児科や産婦人科、オペが必要な眼科などで顕著な医師不足が起きているのです。
それだけでなく、もちろん他の科にも影響は及んでいます。
このようなことを書くと、「男尊女卑」と勘違いされるので、マスコミは決して取り上げません。
しかし、問題は、そんなことではないのです。
一番の問題は、 親が子どもの未来を勝手に決めてしまっていることなのです。
子どもは、自分の意志と関係なく職業を選び、親の期待に答えようとします。
「期待通りに医学部合格！」までは良いのですが、結局、それが社会のためになっていないということです。
では、どうすれば解決できるか？
その話は、かなり長くなりますので、今日はこの辺にしておきます。
悪しからずm(__)m。
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