超高齢化による医療費の増加が問題になっていますが、
その一方で、新しい医療機器や新薬は、
高額なものが、次々に登場しています。
たとえば、心臓の治療ですと、
経カテーテル大動脈弁治療といって、
心臓の出口の扉(大動脈弁)を新しい弁を取り付ける治療があります。
この治療で使われる器具は、なんと400万円以上もします。
http://www.edwards.com/jp/aboutus/newsroom/pressrelease/20150512/
また、オプジーボという、新しい肺がんの治療薬は、
1ヶ月あたり260万円ものコストがかかります。
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20160517-OYTET50019/
さて、こうした高額医療を受ける患者さんは、
実際にどれだけの費用を負担するのか?
高齢者は1割負担、それ以外の人は3割負担というのが、
一般的に知られていますが、
実は、これは一般の診療に限った話なのです。
仮に1ヶ月300万円の医療費に対して、
3割負担したら90万円もかかります。
年間で1000万円以上の負担になります。
これでは、平均的な収入の人は、到底負担できないので、
一定の額を超えると、残りは国が補助するシステムがあるのです。
ちなみに、このシステムのことを高額療養費制度と言います。
たとえば、年収が370万円未満の人の場合、
どんなに高額な医療を受けても、
1ヶ月の負担額は57,600円しかかからないのです。
残りのお金の大半は国が負担することになりますから、
医療費がどんどん膨れ上がるのも無理はありません。
更に言うと、生活保護を受けている人の場合は、
全くお金を払わずに高額医療が受けられます。
いわゆる経済的弱者が、
これほど優遇されている国は日本だけなのです。
アメリカでは、お金のない人は、高額医療は受けられません。
東南アジア諸国でも、
プライペートホスピタルといって民間の病院では、
お金のない人は治療を断られ、
パブリックホスピタルといって、公的な病院に回されます。
そこでもやはり、支払いの可能な範囲での治療しか受けられません。
言い方は悪いですが
「金に糸目をつけない」医療が行われているのは
日本だけなのです。
なぜ、このような状態がまかり通っているのか?
ポイントは2つあります。
まず、政治家の側から見ると、
収入の少ない層の方が、人口が多いため、
選挙での票の獲得を考えれば、
当然そこを手厚くする必要があります。
これは、昔から農家が手厚い政策で保護されて来たのと、
相通じるものがあります。
一方、国民の側はどうかいうと、
国民皆保険制度という、
世界に例をみない素晴らしい制度の恩恵を長年受けてきた結果、
医療というのは特別なものという意識があります。
実際の価値に対して、負担額があまりに少ないため、
お金を払って医療サービスを受けるという実感があまりありません。
ですから、このような制度を不思議に思わないのです。
命に関わることだから、特別だ。
お金の問題ではない。
そのような認識の人が大半です。
しかし、冷静に考えれば、医療というのは、
それほど特殊なものではありません。
医療という一種のサービスに過ぎないのです。
もし、これが自動車を買うとか、
家を買うという話だったらどうでしょうか?
ボロアパートでは、長生きできないから、
家賃300万の豪邸に住みたいと言っても、
絶対、国は払ってくれません。
「馬鹿なことを言うな。自分で払いなさい!」と言われるのが落ちです。
でも、家賃300万の豪邸で快適に暮らしたら、
本当に寿命が延びるかも知れませんね(笑)。
では、高額な医療を受けたから、
全員が寿命が延びるかというと、
効果がある人もいますが、実は効果がない人もたくさんいるのです。
それに対して、国が無条件で補助をしているために、
医療費はどんどん膨れ上がるのです。
では、どうしたら良いか?
本来であれば、何か一定の基準を設けて、
それより高額な治療に関しては、
自己負担とするような制度が必要でしょう。
現状の制度で、誰が一番喜んでいるかというと、
それは患者さんではなく、医療機器や薬のメーカーなのですから。
********************
ブログ、HP以外にメルマガでも、
みなさんのお役に立つ情報を配信しています。
天才脳開発、集中力の高め方、目標達成、
時間管理、仕事の効率アップ、受験勉強、
ダイエット、収入アップなどなど
ご興味のある方は、下記よりお申込みください。