仕事・勉強と集中力

目標達成と集中力

集中するためには、まず捨てること

私は、目標達成のためにセレクト集中というものを推奨しています。

 これは英語にすれば「focus」、つまり焦点を合わせるということに相当します。どんなに集中力が高くても、自分の目標と関係のないことに焦点を合わせていては、成功はおぼつきません。目の前に課題が山積みなのに、それをそっちのけでフェイスブックやツイッターに集中しても、仕事の成果は上がりません。同じように、普段気づかないうちに、大事な集中力を余分なことにフォーカスしてしまっていることが少なからず存在します。それを認識することが必要になります。

 そこでまず、あなたが「やらなければいけない」と思っている事柄を全て書きだして行きましょう。仕事は当然のこと、資格取得のための学習、同僚との飲み会、奥さんへのプレゼント等など、思いつくもの全てを書きだしていきます。

 全ての項目を書きだしたら、次のステップに移ります。たくさんある項目の中で、「自分が本当にやらなければいけないこと」と自分でやらなくても良いもの、つまり「他人に任せられるもの」、そして、このどちらでもないもの、すなわち「やる必要がないもの」の3つに分類します。

 例えば、3つ並んでいる仕事の中で、自分でやらなくても良いものがあるかも知れません。もし仕事Cは部下に任せても良いと思えるのであれば、「他人にまかせる」にまわします。同僚との飲み会も、冷静に考えて結果、出なくても問題ないと判断すれば、「やらなくてよい」グループに割り振りましょう。推理小説が大好きで、好きな作家の新刊を買いに行く予定だったとしても、必ずしも自分で買いに行く必要はありません。他人に頼めるかも知れないし、アマゾンや楽天で注文するのも、広い意味では「他人に任せる」ことで時間の節約につながるのです。

 このように、自分が本当にやるべきものをピックアップする、逆に言えば、やらなくて良いものをどんどん切り捨てていくことで、本当にフォーカスすべきもの、集中して取り組むべきものを浮かびあがってきます。


時間管理と集中力

時間がたっぷりあれば、いい仕事ができる。あるいは、時間がたっぷりなければ、いい仕事はできない。そのように思っている人が多いのではないでしょうか。しかし、本当にいい仕事をするためには、この考えが間違いだということを、まず最初に認識する必要があります。

パーキンソンの法則というのをご存知でしょうか。近年は高齢者の増加に伴い、脳の機能に異常が生じる病気が増えており、そのひとつである、パーキンソン病が有名になっていますが、そのパーキンソンではありません。これは、イギリスの歴史学者・政治学者であるシリル・ノースコート・パーキンソンが自著「パーキンソンの法則:進歩の追求」の中で提唱したものです。

その第一法則が「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」というものです。例えば、メールの返信をする時、時間がなくて急いでいるときは、簡単な内容で済ませますが、なまじ時間があると、つい丁寧に書きすぎて時間がかかってしまった経験はないでしょうか。このように、時間が十分あると思うと、余計なことに手間をとってしまい、結局制限時間いっぱいまで仕事が終わらない状況に陥るのです。

この話を聞いて、耳が痛い人が多いのではないでしょうか。時間が十分あると思って、ついだらだらしてしまったり、ツイッターやフェイスブックなど仕事と関係のないことで時間をつぶしてしまった経験がないでしょうか。逆に、時間がたっぷりあったが、予想以上に仕事が速く進み、持ち時間の半分で仕事が終わったなんて経験はあまりないはずです。

こうした現象からわかるように、同じ作業を短時間で仕上げるための最初のポイントは、ずばり、時間を制限することなのです。締め切りや時間制限を意識することなしに、作業時間を短縮することは不可能と言っても過言ではないのです。

時間管理と集中力


行動改善と集中力

困難な目標も細かいステップに分割する

 象を食べるにはどうすればいいか?こう質問されたら、皆さんはどう答えるでしょうか。美味しいかどうかとか、保存の方法など現実的な部分はこの際無視して、とにかく食べなければいけないとしたら、どうでしょうか。

 ほとんどの人は「象なんて、あんな大きな生き物、食べられるわけがない」と思うのではないでしょうか。しかし、「千里の道も一歩から」と故事にも言われるように、一口ずつ食べていけば、いつかは食べ終わるのです。

 ちなみに、体重3トンの象の筋肉が1トン(1000キログラム)だとして、ちょっとたいへんですが、一日1キログラムずつ食べ続ければ、3年以内に食べ終わる計算になります。仲間と手分けすれば、もっと早く食べることも可能でしょう。

 このように、量が多いもの、期間が長いものは、ぱっと見ただけで、嫌気がさしてしまい、解決不可能なもの、できるとしても途方もなく時間がかかるものだと思い込みがちですが、細かく分割していけば、サイコロステーキのように一口サイズになるわけです。

 1000ページくらいある分厚い本を読めと言われたら、多くの人は、「こんな分厚い本は読めそうにない」と思ってしまいます。しかし、どんなにページ数の多い本でも、1ページ1ページの、あるいは1文1文の積み重ねでできていることに変わりはありません。従って、1ページを読む手間は薄い本と何ら変わらないの、順番に読んでいけば、いつかは読み終わるわけです。

行動改善と集中力

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