先日、
私が顧問をしている病院のスタッフから、
以下のような質問を受けました。
「善玉コレステロールが正常値より低いのですが、
薬は飲んだ方が良いのでしょうか?」
善玉コレステロールというのは、
HDLコレステロールのことです。
http://medical-checkup.info/article/43589316.htmlより
詳細は省きますが、善玉コレステロールは高いほうが良く、
悪玉コレステロールと呼ばれるLDLは低い方が良いと言われています。
ちなみに、HDLの基準値は以下のようになります。
で、最近よく話題になるのは、
この、悪玉と善玉の比が重要だという話です。
件(くだん)のスタッフも、このことを気にしていたようです。
ちなみに、悪玉コレステロール(LDL)の基準値は、
以下のようになります。
http://goodlife1.net/Entry/2/より
で、そのスタッフの話を聞いていて、驚いたことがあります。
それは何かと言うと、、、、
このスタッフは、元々、LDLの値が、100程度だと言うのです!!
もしこれが本当だとすると、全然高くないどころか、
低いぐらいなので、
本来、薬を飲む必要はないはずなのです。
根拠となる論文を見ても、元々悪玉コレステロールが高い人が
対象になっているので、正常値の人には、このデータ自体が
あてはまらないのです。
http://circ.ahajournals.org/content/circulationaha/85/1/37.full.pdf
なぜ、このような誤解が起こるかと言うと、
「データを断片的に見てしまう」ことに問題があります。
悪玉と善玉の比だけにとらわれてしまい、
元々のコレステロールの値や、
対象になっている人のバックグラウンドを考慮しないと、
医師でも、このような勘違いを起こしかねないのです。
そもそも、クスリを飲むかどうかの基準値などというのは、
製薬会社が、
自分たちの薬を飲む人を増やすために設けているのです(汗)。
ですから、その罠にかからないように気をつけないといけません。
とはいうものの、実際のところ、
生活習慣病から、動脈硬化が進んで、心筋梗塞や脳梗塞になる人が
増えているのは事実です。
根本的な解決のためには、
生活習慣を変え、体質を改善する必要がありますが、
それが不十分で、病気になる危険性が高い人は、
薬を飲んだほうが良いわけです。
こういう薬は即効性があるわけではなく、
意思決定も緊急性があるわけではないので、
リスクとベネフィットをよく検討して
内服するかどうか決める必要があります。
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