世間では、AI (人工知能)の進歩により、
今現在多くの人が携わっている仕事が、
近い将来AI 、つまり、
ロボットにとって変わられるということが
話題になっています。
これは、一般の職業だけに限った問題ではありません。
かつては、コンピューターでは絶対勝てないと言われていた将棋も、
もはや、コンピューターの脅威にさらされ、落城寸前になっています。
将棋界では、三浦弘行九段が、
対局中に頻繁に席をはずしていたことから、
将棋ソフトを不正に使用していたと言う疑惑をかけられていました。
そのため、出場するはずだったタイトル戦にも
出場できなくなりました。
しかし、調査の結果は「不正な証拠はなし」と
結論づけられました。
そして、
コンピューターソフトとプロ棋士が対戦する電王戦では、
ついに将棋の名人と最強ソフトが対戦することになっています。
これで、ソフトが圧勝することになれば、
将棋においても、
コンピューターが人間の頭脳を上回ったと
言わざるをえなくなりそうです。
将棋は、全部で40個の駒を使い、
その組み合わせで勝負をするゲームです。
かなり複雑ではありますが、
現在のコンピューターの高度な演算能力からすれば、
人間を超えた判断力を発揮しても不思議ではないでしょう。
しかし、我々の実社会は、将棋盤よりも
はるかに複雑です。
コンピューターの力を持ってしても、
まだまだ人間世界の全てを読みきることが不可能でしょう。
特に、人間が持っている「感情」というものは、
なかなか解析が困難です。
これをどのように解析していくかが、
今後の大きな課題と言えるでしょう。
将来、人間が勝つにせよ、コンピューターが勝にせよ、
このような先を読む力というのはとても重要です。
このように、先を読んで、対処法を考えることを、
フィードフォワードといいます。
これは、
フィードバックの対義語と考えてよいでしょう。
フィードバックというのは、
私がいつも説明しているように、
結果を踏まえて軌道修正をするやり方です。
それに対して、フィードフォワードは、
結果つまり未来に起こることを想定して
あらかじめ対処法を考え、
あらかじめ軌道修正をするやり方を指します。
将棋のようなゲームは、
このフィードフォワードの能力を
極限まで高める戦いともいえます。
我々の実社会においても、
この能力は極めて重要です。
この能力が弱ければ、
行き当たりばったりに行動して、
失敗ばかりを繰り返すことになってしまいます。
では、
この能力を高めるためには
どうしたらよいでしょうか？
ポイントは3つあります。
まず1つ目は、過去の事例に学ぶことです。
過去の成功例や失敗例を学ぶことで、
自分が行動した先に何が起こるかを
ある程度想定することができます。
それによって、
想定されるイベントに対して
対処法をあらかじめ考えておくことができるわけです。
次にポイントとなるのは、
実際の失敗事例から学ぶことです。
過去の事例を研究していても、
想定しないことが起こる事はあり得ます。
そのような時は、
なぜ想定外のことが起きたのか原因を究明し、
次の対策に活かすことが重要です。
こうした反省と対策を繰り返すことで、
フィードフォワードの能力が高まっていきます。
そして、３つ目は、
高い視点から物事を捉えるということです。
例えば、エステサロンで集客するのと、
病院で集客（集患）をするのは、
全く異なる作業と思われますが、
実は高い視点で見れば、共通する項目もたくさんあります。
そうして、高い視点から物事を捉え、
共通項をあぶり出し、それを有効に活用すれば、
全く経験のない分野で応用することが可能になるのです。
こうしたフィードフォワードの能力に関して
将来コンピューターに負けてしまう可能性も十分にあります。
その時は、
我々の能力は大幅に衰えることになるでしょう。
これは、カーナビやGoogle マップの登場で、
我々が地図を読む能力が大幅に衰えたこと同じ現象です。
しかし、まだそうと決まったわけではありません。
少なくとも今現在は、
コンピューターに頼らず、脳を活性化するためにも、
この「フィードフォワード」の能力を高めていきましょう。
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